◯◯ノオト

ゆっくりと確実に、毎日が進んでいく。

失くした物を探して。♯01

副題: Google先生は高いものばかり検索してくる。

 

※長いです。

先週お気に入りのボールペンを失くしてしまった。
家中ひっくり返しても出て来ない。もう1週間になる。夢にまで見る。やばい。

スーパーカーを連想するカラフリーで昭和モダンな良いペンだったのに。
買ったお店のこと覚えてる。家にある日記によれば三年前、世田谷区にある文房具屋さんにて購入と書いてあった。これを口実に是非行くのはやぶさかではない。むしろ飛んでいきたい。身悶えするような良いお店なんだ。
しかしそのお店に行くのはちょっと遠い。ほんのり通勤圏から外れている。僕はお小遣い制。往復の交通費込みペン代は給料前の僕のサイフを圧迫、最悪五輪中にご臨終することになる。Oh my God.
僕は幸いアーマーゾーンプライマーだ。平たく言うと契約者だ。
交通費込みペン代よりアーマーゾーンの代金が格段に安かった場合、天秤の片方がわずかにアーマーゾーン側に傾く可能性は文房具屋さんのファンとしては良くないことだが確かにある。是非文房具屋さんで買いたいし文房具屋さんに行きたい。が、でも上記の理由から小遣い支給まで1週間なんとか食いつながないといけないこの状況。あのボールペン無しで?無理だ。奥さんに前借りする?いやそれこそ無理だ。うちの嫁は東西に名を轟かす節制屋だ。特に社内で。あのけちんぼがサイフのひもを緩めるとは思えない。これまで散々悪事を働いた手前金を渡すとロクデモナイことに使うとバレている。しかも文房具屋さんに行くとなると確実に待ったがかかる。僕はこれまでの行いを恥じた。でもこの想いはどうすることもできないんだぉぉぉ。

仕方がない。とりあえずgoogle先生でペンの代金を検索しよう。天秤の片側の重さを確定してからどのようにしてこの残酷な運命からお気にのボールペンを取り返すか決めても遅くはないはずだ気も紛れるし。
メーカーは不明、国籍も不明、覚えているのは形のみ。
まずは「おしゃれなペン」で画像検索をかけてみよう。なるほどこれはおしゃれなペンばかり引っかかってくる。高っ、こんなんサイフごと大気が裂けるわ。これは検索の仕方が悪いな。次は「雑貨屋さん ペン」などと検索する。なるほどやっぱり高い。わざと高いもんばっかり引っ掛けてるんじゃないだろうねこの検索エンジン。このあとスーパーカーみたいなペンとか「カラフル 安い ペン」とか色々検索かけたけどなんだかやっぱり高いよ。「チープなペン」ならどうだろう。お気に入りのペンがチープなペンで引っ掛かると複雑な気分になるような気もするけど背に腹は変えられない。「チープなペン」で検索だ!
今度はチープ風の高いペンと高い服が引っ掛かってきた。僕は確信する。これあれだ、google先生は自社が好景気なことをいいことに眼鏡曇ってるんだわ。庶民の敵め。良い顔して裏で企業と手を組んで消費促進を画策してるに違いない。許せん。(※個人の邪推です)
半ば諦めたけど最後に「レトロなペン」で検索すると出てきてくれた。んな安直な。でもありがとう出てきてくれて。名前はその名も「レトロペン」。メーカーは「ico」、ハンガリー出身のペンだった。肝心のお値段は626円送料140円別。
残念だがアーマーゾーンの契約者の僕でも送料はかかってしまうみたいだ。何のために高い年間契約料を払ってると思ってるんだい?お小遣いから差っ引かれてるんだよ。アーマーゾーンも敵だ。裏で企業と手を結んでー(省略)。映画配信のために個人送料を巻き上げて一利益をー(再度省略)
これで天秤の片側は確定した。アーマーゾーンなら766円。
次にお店に買いに行く場合を考えよう。詳しいルートは省くがお店での購入の場合、ペンの代金は580円。交通費は会社帰りなら途中まで定期なのでだいたい280円くらいだ。合計860円。
94円の違いなら文房具屋さんに行くほうが良かろう、売り上げに貢献したいし。
お気に入りの文房具屋さんに行くこと=プライスレス。なので文房具屋さんに行くべきだ。さぁ行こう今行こう。定時で帰ろう。

ところでプライスレスって言葉が嫌いな友人がしばらくプライスレスって言葉嫌い。って会うたんびに言うもんで僕との友情はプライスレスだねって言ったらぶん殴られた。

僕もプライスレスって言葉が嫌いになった。
というわけで文房具屋さんに行って買うことにしようと思います。

無駄に続く。