万年筆をGペン化する時のメモを。
中国製の万年筆のペン先を交換してGペンのペン先に変える方法を動画のサイトで知り、その偉業に深く感謝しつつ交換してみます。
うまくペン先(Gペンニブ)が収まらなかった場合は万年筆のペン軸を削ることになるため、もともとのペン先への現状復帰はできなくなります。注意してください。
中国製の万年筆「JINHAO x750」を使用。
【用意したもの】
・万年筆 JINHAO x750
・ペン先 ゼブラ Gペン
・研磨シート タミヤ 耐水ペーパー ♯2000
3M 精密研磨用ラッピングフィルムシート ♯10000
中国の万年筆 JINHAO x750
(Gペンの径と近いペン軸の同じものなら他のもの、x450、x159も可能とのこと。手元にあったx599は無理だった。)
どれも比較的安く手に入る。
購入金額は注文する所によってまちまち。300円〜500円の間くらい。
※今回は郵送料の方が高くついた。注文してから届くまで1週間程度。
※個体差(失敗する恐れも)を考慮して2本購入。
純正コンバータ付き。カートリッジインクは無し。
入れ替えるペン先はゼブラのGペン。手持ちのスクールペンやかぶらペンのペン先は合わなかった。
万年筆のペン先を引き抜き、もともとのペン軸にGペンを合わせる。
多少隙間ができ、浮いている程度なら気にしなくて良さそう。
そのまま万年筆本体に軽くセットしてみて固くて本体に入り辛い、入っても二度とペン軸を引き抜けないなと感じた場合、無理にセットするのはやめる。
Gペンのペン先は万年筆のニブと違って消耗品扱いなので、何度も交換することを考えるなら簡単に交換できることを重視したほうが良い。
♯当たりのペン先は大切に。
ペン軸の方を優しくヤスリで磨いていく。
目の荒い方のヤスリから使用。
耐水ペーパー♯2000を短冊に切り、
ペン軸の左右と下半分を削るというよりは撫でる。研磨面が無くなったら次の耐水ペーパーに変える。
ペン軸上部、インクの通る溝は絶対に傷付けないように注意。
ペン先とペン軸の浮きが激しく、もっともっと沈みこませたい場合、ペン軸断面を時計に見立て2時と10時方向の斜めのラインも磨いていく。
仕上げは研磨用フィルムシート ♯10000 で、アラを取り表面を滑らかに。
磨く時のコツは、磨く回数を一定数に定め(20なら左右20ずつ、30なら左右30ずつを1セット)、ペン軸との浮き、万年筆本体との結合性を考慮しながら磨いたりセットしたりを繰り返し、様子を見る。
組み立てる時、ペン軸内のゴミや磨き粉、製造ラインの油分は大敵なので良く洗い流す。
洗ったあとは繊維の出ないウエスやメガネ拭きの布などで水分を拭き、万年筆本体へセットする。
うまくセットできるとGペンのペン先(ニブ)の左右の切れ込みとペン軸のフィン状の一つ目の隙間が、だいたい合うか合わないかくらいの位置にくる。
コンバーターにインクを入れて万年筆を組み立て、実際に書いてみてインクフローを確認する。
うまくインクが出てくれればいいのですが、
出ない場合はインクの溝にインクが供給されていないかペン先までインクが降りてきていないことが考えられる。
※黒い万年筆は左右と下部50回ずつくらいですぐに書けるようになったけど、
銀色の万年筆はインクがペン先まで全く降りてこず、3日くらい磨いたり削ったりを繰り返してやっと使えるレベルになった。合計で500回ずつは磨いていたと思う。
インクが出てこない原因と対処方法。
・インクフローが少ない。 → ペン軸のインクの溝内にゴミなどが詰まっている怖れ。
分解して良く洗ってみて、それでも出ない場合、インク溝に研磨フィルムを一度だけ差し込みスゥっと静かに通してみる。
通しすぎるとフローが良くなりすぎて取り返しがつかなくなるので注意。
・インクがペン軸の裏に玉のように溜まり、ペン先まで降りてこない。
→ ペン先の油分がインクを弾いてしまってうまく流れていない可能性。分解してGペン(ニブ)の油分を取る。またそのペン先自体の相性が悪いかも。潔く交換する。
→ ペン先とペン軸の接地面積が少ない可能性。浮きを解消するためさらに繰り返し左右、斜め上、下部を削り磨く。
・逆にインクフローが良すぎる。 ドバドバ出てる。
→ ペン軸の幅のせいでペン先が広がっている。 再度ペン軸を削って細くしてみる。
→ もしくはペン軸内のインク溝が広がったり傷ついてしまっている。
これは取り返しがつかない。すこぶる荒技になってしまうけど紙片などを挟んで供給量を無理やり抑制してみるのも一つの手。
最悪インクフローだけは繊細でどうしようもない。本体を買い直したほうが良いかもしれません。
終わり。