絶望ノオト

ゆっくりと確実に、世界は終わっていく。

おしり痛い。

※閲覧注意でお願いします。

※特にお食事中は読まれないほうがよろしいかと思います。

※気分を害しましたら申し訳ありません。

※どうぞこの項は読み飛ばして頂いて構いません。というかむしろ個人的には読み飛ばして頂いたほうが幸いです。

 

 

 

昨夜オケツに小さい分身ができているのを発見した。

分身と言っても一緒にお喋りしたり野球したり、喜びも悲しみも半分こするような間柄では無い。

文字通りの意味で分身だ。

ただし間違いなく僕の細胞を持って生まれた血の通ったボディを持つ。ちいさいイスケ。略してチイスケ。彼はG-Boyだ。

※どこにできたのかは言及しませんが察して頂ければ幸いです。

 

僕は震えた。

分身ボーイがどこに生まれようが、多少の所なら目をつむって別に放っておいてもいいぐらいの寛容さと、そして日々の忙しさくらい僕にもある。

しかし彼は生まれた場所とタイミングがとにかく悪かった。そこは毎日?僕の身体から特急列車が発車していく始発駅だったのだ。

しかもなんだかやたらと痛い。

僕は会社を遅刻してお医者さんにボーイを診てもらうことを心に決めた。

寝ても覚めてもどんどんと痛みが増してきており、座ることはもとより歩くことすら困難になる勢いだったからだ。

昨晩は痛みで眠れなかった。

可及的速やかにボーイをどうにかしないと僕の方がどうにかなりそうだった。仕事も詰む。

善は急げと昔の人は言っていた。あれはきっと医療が発達していない時に痛いなら早く病院にいけ、という偉い教えだったに違いない。違うかもしれないがその言葉に従わざる負えない時と言うのはままあるものだ。

よって病院を調べてみると、近くのおしゃれ駅の代表格、THE・鎌倉駅に評判の良い先生がおられるらしい。

おしゃれな街。おしゃれな病院。おしりがシャレになっていない僕。

 

…覚悟は決まった。

いざ鎌倉、〜の病院へ。

というわけで病院にたどり着いてみると、木曜日は専門医の先生はいないんだって。

問診はしてくれるけど他の専門じゃない先生がチラ見するぐらいしかしてくれないとのこと。

(先に言ってよ…。)受付の方に症状を説明したら、うわぁこの人おしりに分身できたんだ〜、へぇ〜 みたいな顔されちゃったよ。

恥ずかしさのあまり僕はおケツをまくって病院を後にした。

その際、木曜日でも診察と場合によっては手術もしてくれる病院を教えてもらった。

痛みは時間を追って増してきている。

 

バスを乗り継いで紹介してもらった病院にたどり着くと、さすが専門医の先生がいる病院。

受付の方が、「おかけになってお待ち…あ、座れません…よね? お立ちになってお待ちください」と言われた。受付の方の至って真面目な気遣いに関心していると、比較的すぐに診察室に呼んでもらえた。

先生は70才くらいの良い声の先生だった。

ベテラン。優しそう!そして安心できそう!良かった。良い病院だ…!

先生はお歳を召されているようで、すぐ横に若手の女医さんらしき人が付き添ってるいるけどあまり気にしない。このパターンは予想してなかった。もう心が折れそう。

「じゃ、ま、見ますね。横になっておしり出してねー。」

覚悟はしていたけど、やっぱりこういう時は見せないとダメなんですね。

他人におしりを見られるのは生まれて初めての経験だ。いや、そんなことは無いんだろうけどそうだと信じたい。人は信じたい物だけを信じないと生きていけない悲しい生き物だ。

レッツ半裸命令。覚悟していた最大の難関。

そんな僕の心の葛藤とは関係無しに診察は続いていく。

「あ〜、これは大きいねー、普段来る人の2倍はあるね。あと数も多いね。」

つんつんされる。あとなんかクリームも塗られる。

「硬いけど、たぶん大丈夫。じゃ、取ろっか。」

かくして小さな分身の未来は決まった。

即日処置。

幸い入院などはしなくて良いそうで、手術の準備を待つ間、待合室でまた立って待つことになった。

あと、なんだかこの時勝手に泣けてきた。

 

少し待って看護師さんが呼びに来てくれた。

そして手術室に案内される。

半裸になって手術台に横になれと命じられ、そのようにした。もはや気分はまな板の上。注文の多い料理店のストーリーが思い出された。

もうどうにでもなれって気分だった。

この時往生際悪くパンツを履いていた。パンツは看護師さんに剥ぎ取られた。

 

付き添いの女医さんに支えられて先生が手術室に入ってきた。簡単に処置の説明をしてくれる。

まず麻酔。続いて分身に穴を開ける。分身から血が抜けて小さくなったら電気メスで焼き切る。焼き切るので傷跡の血は止まる。

痛かったら言ってね。の言葉の後、手術は始まった。

麻酔ってすごい。

僕は必死にお花畑を思い浮かべていた。良い歳した大の男がお花畑も無いのだろうが、とにかくお花畑にいることを思い浮かべた。あるいは願った。目を開けたら全部夢だったってことにしてほしかった。

次に思い浮かんだのは工事用のパイルバンカー。先生は僕のおしりのデリケートなゾーンに容赦なく麻酔をブチ打った。

注射はかなり痛かったけどすぐになにも感じなくなった。こんなところに麻酔って効くんだなぁと感心した。あとはまぁなんか先生ズと看護師さんが三人がかりでなんか後ろでカチャカチャやってた。麻酔が効いていたのでよくわからないけど順調そうで何よりだ。3人のうち手を動かしているのは女医さんと看護師さんだけのようだった。なんて日だ。

そして残る問題は電気メスだ。

麻酔は痛みを感じないようにしてくれるらしいけど、どうやら熱は感じるものらしい。

僕はおしりの中心部に致命的な熱を感じた。

例えるならビームサーベルで外殻に穴を開けられているコロニーの壁。真っ赤になってドロドロに溶解していく鉄の壁。

ピーッ、という電子音の後、必ずものすごい熱が穿たれた。

しかも数が多いらしく、この際だからと大きいのも小さいのも全部まとめて焼き切っているようだった。

 

 

 

 

 

手術は無事に終わった。

看護師さんはパンツを返してくれた。そしてまた待合室で待つように言われた。

 

オケツの割れ目にガーゼをねじ込まれた。

途中、電気メスであまりにも痛がったので麻酔を追加されたけど痛いは痛い。

もはや痛みで一歩も歩けない状態になった。

歩けないのを察してか、さきほどの気遣い100%の受付の方が、病院の隣に居を構える薬剤師さんを呼んできてくれていた。薬剤師さんに痛み止めをもらってなんとか歩けるようになった。

 

正直病院に行くまでは、診察が終わったら会社に行くか、いっそ休んでたまの鎌倉を一人で観光でもしようかなー、ぐらいのつもりだったけど、もうそんな心の余裕は僕には残っていなかった。

今日はダメージを受けすぎた。許容オーバーの大ダメージ。おしりにも。心にも。魂にも。

僕の頭のお花畑はすべてビームサーベルと焼け野原のイメージに取って変わってしまった。

不思議なのはそれでも観光したいと思ったのか小さい木刀だけ鎌倉のお土産屋さんで買ってしまったことだ。

 

最後に病院の先生が今回の病名を教えてくれた。ネットで調べてみると、比較的良く見られる症状だったようでお尻の風邪、あるいはお尻の血豆、と呼ばれているものなんだそうだ。

 

あと奥さんがとどめとばかりに会社の人に僕の症状をバラしたらしいので、もう明日から会社には行きたくない。